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女性活躍推進のために企業がすべきこととは?

2023/02/24
お知らせ(保育コラム)支援・制度

企業にとって、女性活躍推進は喫緊の課題です。とはいえ、「何から始めればいいのかわからない」「課題をどう解決すればいいのかわからない」と悩む企業・人事担当者は多いでしょう。女性が活躍する社会とはどのような社会なのか、具体的にはどのような課題があるのかといった点を解説いたします。

また、2016年に施行された「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(以下、女性活躍推進法)」の概要や、同法律の対象となった企業がすべき手続きの内容についてもご紹介します。

女性が活躍する社会とは

そもそも、女性が活躍する社会とは具体的にどのような社会なのでしょうか。「女性活躍推進法」の概要をもとに考えると、以下のような社会が該当します。

  • 女性が自らの意思、個性、能力によって職業生活を営める社会
  • 性別による固定的な役割分担に縛られず活躍の場が与えられる社会
  • 職業生活と家庭生活を円満に両立させられる社会
  • 職業生活と家庭生活の両立において、本人の意思が尊重される社会

簡潔にまとめると、「女性本人の意思や個性が尊重され、職業生活と家庭生活が両立しやすい社会」です。労働人口が減少している状況を鑑みると、女性が働きやすい職場づくりは大きな課題解決策となります。企業にとって女性活躍推進を成功させることは、イメージアップにもつながるでしょう。

女性の活躍に向けて解決すべき課題

出産・育児のサポートをはじめ、女性の活躍に向けて解決すべき課題は様々。1つひとつの課題はどのようなものか、解説いたします。

出産・育児のサポート

働き方の変更や育児への理解を示すことが、出産・育児のサポートにつながります。

女性が活躍しにくい要因のひとつが、「出産・育児と仕事の両立が難しい」という点です。とくに古い体質の企業には、まだまだ「女性はそのうち辞める」という空気が残っています。「女性が働き続けること」を想定しておらず、出産・育児をサポートする環境が十分に整っていない企業もあるのが現状です。

働き方のサポートの例

女性が出産・育児を機にキャリアから離脱し、育児が落ち着いたら再びキャリアを形成するという流れは「女性のM字型カーブ」と呼ばれています。一連の流れを労働力利率のグラフで表すと、M字型のカーブを描くためです。このM字型カーブの谷間を、いかに浅く緩やかにできるかが重要といえます。

そのために必要なのが、新しい働き方の導入です。時短勤務制度の導入や見直し、リモートワークの導入などがわかりやすい例でしょう。また、出産・育児をサポートする福利厚生を充実させたり、勤務形態・勤務時間の選択肢を増やしたりといった取り組みを行なう企業もみられるようになってきました。

出産・育児への理解を深めるには

妊娠・出産を控えている社員、または妊娠中の社員に対して、活用できる制度や福利厚生の周知を徹底することも大切です。くわえて、マタニティハラスメント(マタハラ)対策として窓口を設置したり、ハラスメントにあたる言動事例や罰則規定の周知を社内で徹底したりといった対策も重要になります。

また、子どもが成長して保育園や小学校へ通うようになれば、運動会・授業参観などの行事も増えてきます。こうした学校行事への参加に対する理解・応援も必要になってきます。

ジェンダー・バイアスに関する課題

「女性だから」「男性だから」というジェンダー・バイアスはまだまだ根強く残っています。とくに職場においては、「女性は管理職を希望しない」「女性はアシスタント役・補助役」というジェンダー・バイアスが残っていることで、女性の活躍が妨げられているのです。

こうした問題を解消するためには、まず職場にあるジェンダー・バイアスに気づくことが大切です。悪意がなくても、「女性だからこの仕事が得意」「女性ならではの気遣い」というような価値観を内包してしまっていないか、自身や職場全体へ問いかけてみましょう。

注意したいのは、「女性だから○○とは限らない」というものの見方に落ち着いてしまわないことです。ジェンダー・バイアスを是正したのちは、個人に目を向けて、どのような働き方をしたいのか・どんなキャリアを積みたいのかを考える必要があります。

女性の就業率はアップするも課題も残る

厚生労働省の「労働力調査 2022年(令和4年)6月分」によると、女性の就業率は前年度に比べ1.4ポイント上昇した72.6%と報告されています。人数にすると3,041万人で、前年度同月と比較すると23万人増という結果に。

男女雇用機会均等法が施行された1986年(昭和61年)時点では、女性の就業率は53.1%でした。女性の就業率は、約36年で20%近く上昇していることがわかります。

女性の就業率自体は高まっていますが、「企業役員の女性登用率が少ない」という課題があります。内閣府男女共同参画局によると、2021年時点で約3分の1にあたる上場企業で女性役員が不在という結果がわかっています。数値にして、東証一部上場企業全2,189社のうち732社、プライム市場以降企業1,838社のうち539社が女性役員不在という結果が発表されました。
今後は、女性のキャリア形成をどうしていくかが、焦点となっていくことでしょう。

女性役員の就業率が高い企業から学ぶ

ここで、パソナグループの女性活躍推進に関わるデータ事例をご紹介します。

女性登用に対する企業の意識調査(2019 年)によると、2018年度の女性従業員の平均割合は25.2%という結果が報告されていたのに対し、パソナグループの女性社員の割合は61.3%。平均値と比べて大きな差が出ていることがわかります。くわえて、パソナグループの管理職に占める女性の割合は51.0%(世間平均7.7%)、女性役員・執行役員の割合は31.3%(世間平均9.8%)と、いずれも世間平均値を上回る結果です。また、育児休業からの復職率も100%となっています。

パソナグループでは、育児や健康状態への配慮が必要な社員に対していち早く在宅勤務制度を整備したり、週4日以内勤務制度を導入したりといった取り組みを実施してきました。

先の結果は、パソナグループが取り組んできた人事整備や労働環境の整備が実を結んだといえます。

パソナグループのパソナフォスターでは、このノウハウを活かした他企業の女性活躍推進もサポート。
たとえばパソナフォスターの「福利厚生ソリューション」では、従業員のライフスタイルに合わせた多様な子育て支援を提供しています。

そのなかのひとつ育児コンシェルジュでは、保育園を探す保活サポートや学童探し、育児相談全般の受付を実施。
とくに保活(保育園探し)は、女性社員の復職後の働き方を大きく左右する重要な活動です。
福利厚生ソリューションでは、こうした保活をはじめとする育児サポートを幅広く展開しています。

こうした福利厚生を導入することで、妊娠・出産・育児に伴う女性社員の離職を防げます。

女性活躍推進の一環として、アウトソーシングでコンサルティングを導入するのも手です。ぜひ、パソナグループの福利厚生ソリューションをお役立てください。

出典:労働力調査 (基本集計)」
参考:諸外国における企業役員の女性登用について 参考:女性登用に対する企業の意識調査(2019 年)

女性の社会進出をサポートする「女性活躍推進法」とは?

「女性活躍推進法」とは、女性が十分に能力を発揮して活躍できる職場環境を整備するための法律です。どのような企業が法律の対象となるのか、直近の改正点はどのようなものなのか、具体的な情報をご紹介します。

女性活躍推進法の対象企業

従業員数101人以上の企業が、女性活躍推進法の対象企業です。以前は「従業員数301人以上の企業」とされていましたが、2022年4月の改正によって現在の適用範囲となっています。

対象となった企業は、女性が活躍するために必要な行動計画を策定し、それらの情報を所定の労働局へ公表することが義務付けられます。

2020年6月からの改正点

女性活躍推進法は、2022年4月以前にもいくつかの改正が行われています。たとえば2020年6月には、「情報公表の項目増加」と「プラチナえるぼし認定制度の設置」が改正点として加わりました。

「情報公表の項目増加」は、従業員数301人以上の企業が対象となります。「女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供に関する実績」「職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績」の区分から、それぞれ1項目以上の情報を公表するよう義務付けられました。

くわえて、特例認定制度「プラチナえるぼし」を新設。従来の「えるぼし」は、女性活躍推進の優良企業を認定する制度でした。この「えるぼし」よりも、さらに高い水準を設けた認定制度がプラチナえるぼしです。

女性活躍推進法の対象となる企業がすべきこと

資女性活躍推進法の対象となった企業には、女性活躍のために行なう行動の策定と情報公開が義務付けられます。どのようなステップを踏んで手続きを行えばいいのか、例を交えてご紹介します。

ステップ1:課題調査

女性が活躍するために改善すべき職場の課題を、調査・抽出するフェーズです。具体的には、以下の4項目をもとに調査を行います。

  • 採用者に占める女性の割合、または従業員に占める女性の割合
  • 男女の平均継続勤務年数の差異
  • 月ごとの平均残業時間をはじめとする労働時間状況
  • 管理職に占める女性社員の割合

これらの項目以外にも、「女性が産休・育休からの復職が難しい部署はないか」「復職した女性が能力を発揮できる転換制度が適切に導入されているか」といった点を考慮して課題調査を行いましょう。

ステップ2:行動計画の策定

課題が明確になったら、具体的な計画期間や数値目標、取り組み内容、取り組み実施期間を盛り込んだ「行動計画」を策定します。計画期間では、「長期計画期間」として10年単位の計画スパンを設けるほか、「今期」「来期」というように細かなサイクルを決めると良いでしょう。

「数値目標」では、「○○部署で働く女性の割合を〇〇%以上とする」「育休取得者及びその上司を対象とした復職研修実施率を100%にする」といった数値目標を記載します。

「取り組み内容」には、掲げた計画期間・数値目標を達成するために必要な取り組みを具体的に記載しましょう。
例:復職女性のキャリア形成」に課題がある場合

  • 育休復職者とその上司を対象としたキャリア形成研修を実施する
  • 本人とその上司で話し合いのうえキャリアプランを作成し、中長期的な育成を実施

「取り組みの実施期間」には、取り組み内容を実行するためのタイムテーブルやタスクを記入します。
例:取り組み内容「育休復職者とその上司を対象としたキャリア形成研修を実施する」

  • 2022年6月~研修内容・プログラムの比較検討
  • 2022年8月~研修をトライアルで実施
  • 2022年10月~研修対象者を拡大

ステップ3:届出

行動計画を策定したら、「策定届」として管轄の都道府県労働局へ届出しましょう。届出様式は、各都道府県の労働局公式サイトなどからダウンロードが可能です。なお郵送で届け出るほか、窓口へ持参したり所定のページから電子申請したりする方法もあります。

ステップ4:情報公表

厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」内や自社ホームページにて、行動計画の内容や進捗などを公表します。

従業員数が301人以上の企業は、「1:女性労働者に対する職業生活に関する機会の提供」と「2:職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備」という大枠のなかから、それぞれ1項目以上の情報を選択して公表することが義務です。従業員数が301人以下の企業の場合、大枠1と2の全項目のなかから、1項目以上を選択することが義務付けられています。

年1回以上の更新すること、報告時点での最新の数値を公表することが求められます。

女性の活躍を後押しする環境はコンサルティングサービスでつくる

女性が活躍できる職場環境をつくるためには、ライフステージに合わせた働きやすい環境の整備やジェンダー・バイアスの解消といった対策が不可欠。くわえて女性活躍の実績がある企業から学び、必要ならコンサルティングサービスを導入して推進しましょう。

パソナフォスターの「福利厚生ソリューション」では、育児コンシェルジュや託児サービスのほか、学童期の子どもたちの預かりを行なう企業様向け託児所「Miracle Holiday」を提供。こうした福利厚生を導入して育児を支援することが、女性活躍の推進へつながります。
福利厚生ソリューションの詳細はこちら

また、パソナフォスターでは、その他 保育園の運営・保育士の採用ノウハウを活かした研修プログラム「保育Academy」も提供し、女性の挑戦と活躍を応援しています。
保育スキルの向上を目指す方であればどなたでも受講できる「オープン講座」のほか、保育士を目指す方に向けた「保育士養成講座」などを実施しています。保育の仕事は、十分なスキルや知識が求められる専門職。ブランクを埋められる各種講座を開くことで、女性社員(保育士)が抱く入社前・復職前の不安を和らげることに貢献しています。
保育スキルアップは保育Academy

このように、パソナグループでは多様なノウハウを活かして企業様の女性活躍推進をサポートしています。

女性の活躍を応援するイベント

パソナグループでは、創業以来、女性の活躍推進に取り組み、現在では多くの女性社員が活躍しています。 この度、国際女性デーを記念して、 「輝く女性を応援する」 「女性に輝いてもらいたい企業を応援する」 ことを目的にイベントを開催しています。

国際女性デー PASONA 女性フォーラム 輝く女性の未来を考える
《 Cheer Up Women!》


国や民族、言語、文化、経済、政治の壁に関係なく、 女性の生き方を考える日として制定されている「国際女性デー」。
日本では、世界経済フォーラムが公表しているジェンダーギャップ指数(146カ国中116位)が示す通り、 まだ「女性のキャリア」「女性が活躍する環境の整備」に課題がありますが、その課題に向き合う挑戦を続けています。



 

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