保育実習の初日では、職員の方や子どもたちに向けて自己紹介をします。良好な関係を築くためにも、自己紹介をする際や子どもたちへ声かけをする際のポイントはしっかり把握しておきたいものです。ここでは、職員の方や子どもたちに向けて行う、自己紹介のコツやマナーを紹介します。同時に、子どもたちに向けた自己紹介のアイデアもまとめました。
保育実習で行う自己紹介の基本
明るく、ハキハキとした姿勢は必須です。緊張して声がこもりそうになるときこそ、いつもよりワントーン明るく、大きな声を出すように心がけましょう。保育実習前に、鏡の前で挨拶の練習をしておくのもおすすめです。イメージトレーニングしておくことで、本番での緊張も和らぎます。
職員の方へ向けて
職員の方に対しては、自分から明るく挨拶するようにしましょう。「おはようございます!」とハキハキした態度で一言声をかけるだけでも、印象が良くなります。このとき、「〇〇学校から来ました、保育実習生の〇〇です。よろしくお願いいたします!」と添えるのも良いでしょう。同校出身の先輩保育士から、「私も〇〇学校出身ですよ!」と声をかけてもらえるかもしれません。コミュニケーションのきっかけになるような一言を添えることも大切です。
また、保育実習中に他のクラスの保育士さんとすれ違ったり、顔を合わせたりする機会もあります。そのときは「関わる機会が少なそうだから」と素通りするのはふさわしい行為ではありません。顔を合わせたら、必ず「おはようございます!」「お疲れ様です!」と明るく挨拶をしましょう。
子どもたちに向けて
子どもたちに対しても、明るく元気に挨拶することが大前提。実習生という立場であっても、子どもたちからすれば一緒に過ごしてくれる「先生」の一人です。子どもたちに向けて自己紹介をするときは、年齢に合わせてわかりやすい言葉を選んで挨拶をしましょう。初日の自己紹介では好きな食べ物や特技などを話すと、子どもたちとの距離が縮まりやすくなります。
例1:
「〇〇組のみなさん、こんにちは!保育園の先生になるためのお勉強をしにきた、〇〇です。好きな食べ物はカレーで、お絵描きや工作が大好きです。みんなとたくさん遊べるのが、今からとっても楽しみです。よろしくお願いします!」
お絵描きや工作が得意なのであれば、作品を見せてあげるとより盛り上がります。余裕があれば、自己紹介のときまでに作ったものを用意しておくと良いでしょう。
例2:
「〇〇先生と言います。きょうから〇〇組のみなさんと過ごすために、〇〇保育園にきました。走ることやバレーボール、バスケットなどボールを使ったスポーツが得意です。みなさんとお外でボール遊びやかけっこ、鬼ごっこなどしてお遊びすることを楽しみにしています!よろしくお願いします。」
スポーツが得意なのであれば、そのことを全面的にアピールするのもおすすめ。外遊びのときに、子どもたちと一緒に盛り上がれます。
子どもたちの年齢に合わせた自己紹介のポイント
子どもたちの年齢は、受け持つクラスによって様々です。乳児クラスをはじめ、1~2歳児クラス、3~5歳児クラスと、子どもたちの年齢に合わせた自己紹介のポイントを紹介します。
乳児(0歳児クラス)の場合
0歳児クラスでは、他のクラスのようにまとまった時間を使って自己紹介をする機会が少なめです。明るい表情で、「いっしょに遊ぼうね」と優しく声をかけてあげましょう。大人との関わりが、赤ちゃんの今後の人格形成に大きく関わってきます。子どもたちに心を開いてもらうためにも、積極的に親しむ姿勢を見せましょう。
1~2歳児クラスの場合
1~2歳の子どもたちは、簡単な言葉であればある程度理解することができます。保育実習生のことも「新しく来た知らない先生」と認識し、性格によっては人見知りしてしまう子も。そんな子どもたちの緊張をほぐしてあげられるよう、明るく大きな声で、ゆっくりと自己紹介の挨拶をしましょう。子どもたちに理解できる、簡単な言葉を選んであげることも大切です。
3~5歳児クラスの場合
ちょうど年長クラスにあたるのが3~5歳児クラス。いろいろなことに興味を持ち、活発に動き回る年頃です。自己紹介をするときは、子どもたちを飽きさせないよう簡単な遊びや歌を取り入れたり、作ったものを見せたりするのがおすすめです。子どもたちの興味を引きやすくなります。
自己紹介で活用できるアイテム
自己紹介で子どもたちの心をつかむためには、アイテムを活用して楽しい自己紹介にすることが大切です。スケッチブックやペープサートなど、自己紹介を盛り上げてくれるアイテムを以下でご紹介します。
スケッチブックや画用紙
スケッチブック・画用紙を使って、絵本や紙芝居のように自己紹介してみましょう。1ページずつに絵や文字を描いて、めくっていきながら自己紹介するのが定番です。クレヨンや太めのカラーペン、マスキングテープなどを活用して、カラフルに仕上げると良いでしょう。
たとえば、「先生の名前は『たなかゆきこ』といいます!たなかゆきの『た』は、たぬきの『た』(スケッチブックをめくってイラストを見せる)、全部の文字で、「たなかゆき」です。みなさんと毎日たくさん遊んで、先生になるためのお勉強もがんばります!仲良くしてくださいね。」
というように、絵本の読み聞かせのような感覚で明るく自己紹介しましょう。
ペープサート
ペープサートとは、手作りの紙人形のこと。画用紙に描いたキャラクターやイラストを切り抜いて、それに棒を貼り付けて、棒を持って回したり、振ったりして使います。自己紹介に合わせた絵をペープサートにして、人形劇にように自己紹介する方法があります。たとえば、キャラクターのペープサートを使って一人二役で自己紹介してみましょう。
例:
「先生の名前は、『たなかゆきこ』といいます。ゆきこ先生、って呼んでくださいね。ここからは、このウサギくんといっしょに、みなさんにいろんなお話をしたいと思います!(ウサギのペープサートを登場させる)」
「みんな、こんにちは!ぼくはゆきこ先生のお友達のウサギだよ。ねぇねぇゆきこ先生、ゆきこ先生の好きな食べ物ってなーに?」
というように、ペープサートのキャラクターを通して楽しく自己紹介する方法です。可愛いペープサートがあれば、子どもたちを最後まで飽きさせず自己紹介できるでしょう。キャラクターごとに声音を変えて演じ分けをすると、さらに盛り上がります。
手作りの名札
大きく見やすいひらがなで名前を書いた、手作りの名札を用意するのも良いでしょう。普通の名札と比べると目立つため、遠くからでも名前がよく見えます。また、子どもたちが好きなキャラクターや可愛い動物の絵などを添えると、それだけで子どもたちと距離を縮めやすくなります。「先生の好きな動物はなんでしょう?ヒントは、この名札に隠れてますよ!」と、名札を使ったクイズを通して自己紹介するのも良いアイデアです。くわえて、手作りの名札があれば、子どもたちだけでなく、先輩の保育士や保護者の方にも名前を覚えてもらいやすくなります。
手袋シアター
手袋シアターや指人形などを使って自己紹介するのもおすすめ。市販の手袋に、綿やフェルトでパーツを作って貼り付けるだけで簡単に作れます。自己紹介に登場させたいキャラクターを決めて、それに合わせた色の手袋や素材を集めると良いでしょう。また、自分の名前に関係する色や形、動物を元に作るのもおすすめです。「赤」という文字が名前に入るなら赤色を、「花」という文字が名前にあるなら花をモチーフにした飾り付けをするなどして、カラフルに仕上げましょう。
例:
「みなさんこんにちは!保育園の先生になるためにお勉強をしに来た、〇〇といいます。〇〇先生って呼んでくださいね。今日は、先生のお友達もみんなに紹介します!(手袋シアターを見せてあげる)」
手袋シアターを作るときは、様々なキャラクターを登場させると、手袋全体がカラフルになり、演じ分けをすることで子どもたちの興味を引き付けることができます。
歌、クイズなど自己紹介を盛り上げるアイデア例
歌やクイズ、特技の紹介を取り入れると、子どもたちを最後まで飽きさせずに自己紹介できます。これらを取り入れる際のポイントや例を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
クイズ形式で自己紹介
クイズを通して、自分の名前や特技、好きな食べ物などを子どもたちに紹介してみましょう。
例:
「先生の名前は、あるお花と同じ名前です。それはどんなお花でしょう?ヒントは、黄色くて大きくて、夏に咲くお花です!〇〇保育園の近くにも、このお花が咲いていますよ。」
「先生の好きな食べ物は、ある果物です。それはなんでしょう?ヒントは、赤くて甘酸っぱくて、丸い果物です!」
このとき、スケッチブックや画用紙などに問題を描いて、さらにわかりやすくすることが大切です。また、「2~3人に答えてもらったら答えを教える」というように、簡単な流れをあらかじめ決めておくとスムーズに自己紹介できます。
歌遊びを取り入れてみる
歌遊びを取り入れて、子どもたちに自己紹介する方法です。
例1:
「今日からみなさんと一緒に過ごす、〇〇といいます。〇〇先生は、歌とピアノが好きです。みなさんとたくさん歌って遊びたいので、今からピアノで『きらきら星』を弾きます。みなさんもいっしょに歌ってくださいね!」
例2:
「〇〇といいます。保育園の先生になるために、〇〇保育園へきました。先生は、みんなとお歌を歌うのを楽しみにしていました!今からピアノを弾くので、みんなでいっしょに『チューリップ』のお歌を歌ってくれるかな?」
歌遊びを取り入れることで、子どもたちと一体感を楽しみながら自己紹介ができます。
楽器演奏・工作など特技を披露してもOK
歌遊びのときのように、楽器演奏をしたり、工作などの特技を披露したりしても盛り上がります。絵が得意なら、スケッチブック絵本や手作りの紙芝居を使って、子どもたちの興味を引きましょう。「先生は、お絵描きや工作がとっても好きです。みんなといっしょに、いろんなものを作って遊びたいです!」と声かけの後に、実際に作った作品を見せてあげると子どもたちの興味を引けるでしょう。
また、体を動かすのが好きなのであれば、子どもたちの間で流行っている体操やダンスを取り入れて、自己紹介の導入にするのもおすすめです。
保育実習は、慣れないことの連続で緊張してしまうものです。だからこそ、いつもより明るく元気な声と表情を心がけて自己紹介をしましょう。実際の保育現場へ出て学ぶことで、自分に足りていなかったものや、それまで気づかずにいた自分の長所に改めて気づかされることもあります。
パソナフォスターでは、保育士を目指す保育実習生を積極的に受け入れております。子どもたちとふれあったり、先輩保育士や保護者の方と連携を取り合ったり、保育現場でしか味わえない経験を通して保育学生のみなさんをサポート。保育に必要な知識や実践技術はもちろん、子どもたちに対する観察眼や子どもたちと向き合う姿勢なども身につけられます。
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