難易度が高いと言われている保育士試験。「独学で保育士になれるのか」「どの程度の難易度なのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。この記事では、独学で保育士になるために必要な勉強時間や勉強のポイントをご紹介します。
独学でも保育士は目指せるの?
前提として、保育士試験は最終学歴によって受験資格が異なりますが、独学でも保育士を目指せます。ただし保育士試験は難易度が高く、狭き門であることも事実です。厚生労働省が発表した「保育士試験の実施状況(令和2年度)」によると、全体受験者数44,914人に対し合格者は10,890人と報告されています。合格率は約24%という結果です。
独学で保育士を目指すとなると、こうした狭き門を突破できるよう効率良く学習を進める必要があります。本人の知識や得手不得手にもよりますが、独学の場合の必要な勉強時間の目安は100~150時間とされています。
出典:厚生労働省「保育士試験の実施状況(令和2年度)」
学歴によって給与事情が異なることも
「学歴によって保育士としての待遇は変わるのか」と気になっている方もいるのではないでしょうか。公務員保育士の場合、大卒・高卒・専門卒などの最終学歴で給与事情が異なります。たとえば新卒採用の場合、大卒の方のほうが高卒・専門卒の方より初任給が高く設定されているケースが見られます。また、公務員保育士の給与は、高卒・専門卒よりも大卒のほうが高くなります。
しかし、中途採用の場合は、そこまで大きな待遇の差が出ることはほとんどありません。最終学歴を指定している保育施設は多くないうえ、待遇を決めるカギとなるのは「保育士資格の有無と実務経験」であることがほとんどです。
パソナフォスターの保育Academyでは、保育士資格の取得を目指す方に向けた「保育士養成プログラム」を実施しています。同プログラムでは、パソナフォスターが運営する保育施設で働きながら、資格取得に向けての学習も進められます。経験豊富な先輩保育士がサポーターについてくれるので、実践的な保育知識・実務経験を積めるのが魅力の1つです。また、座学に注力するための時間を週1日必ず確保でき、その時間も勤務時間として扱われるため、お給料や待遇などに影響はありません。
パソナフォスターの保育士養成プログラムの詳細は、こちらの「保育士養成プログラム」で紹介しています。保育士資格の取得を検討されている方は、ご覧のうえ、お気軽にお問合せください。
独学で勉強するメリット・デメリット
独学で勉強することには、メリットがあれば、デメリットもあります。以下で紹介するメリットとデメリットを参考に、「自分でもできそうか」、「自分に合った方法はあるか」という点を考えてみてください。
メリット1:自分のペースに合わせて勉強できる
自身でスケジュールを組む必要はありますが、自分のペースに合わせて勉強できるのは大きなメリット。通勤・退勤の時間や家事・育児の合間、早朝など好きな時間とペースで勉強できます。くわえて、自宅や図書館、カフェなどの勉強場所や使う教材もすべて自分で選べます。集中できる空間と自分に合った教材を選べれば、さらに効率良く勉強を進められるでしょう。
洞察力は、「広い視野・多角的な視野を持つ癖をつける」「日々の出来事を日記やメモなどに残して振り返る習慣をつくる」などの方法でどんどんブラッシュアップできます。
メリット2:費用を節約できる
学校へ通う必要がなく、入学金や学費などの費用が不要です。教材費や受験手数料などを鑑みても、通学する場合と比較すれば大幅に費用を節約できます。
デメリット
独学のデメリットとしては、「モチベーションの維持をすることが難しい」という点があげられます。つい勉強をさぼってしまったり、勉強してもなかなか手応えが感じられず、挫折してしまったりすることが考えられます。指導してくれる方や、同じ目標に向かって励まし合う仲間がいないのも辛いものです。「どのようにモチベーションを維持するか」という点をよく考えたうえで、勉強に臨むことが大切です。
「完全な独学だとモチベーションの維持が難しそう」と悩まれている方も少なくないのではないでしょうか。そんなときは、「通信講座」と「独学」の組み合わせで柔軟に勉強するのも手です。パソナフォスターの「保育Academy」は、経験・スキルを問わず保育士を目指したい方が参加できる学びの場。「保育士資格を取得したい」、「学童クラブや託児所で働くために必要なスキルを身につけたい」など、様々な目標を持った方が集まります。たとえば「保育養成プログラム」は、保育士資格取得を目指す方に向けた講座。保育の仕事が未経験の方をサポートする「チャレンジコース」をはじめ、計6つのコースが設けられています。そのなかから自身のスキル・経験に合った講座をお選びいただけるのが魅力です。
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独学で保育士試験合格を目指すためのステップ
「独学で勉強する」と決めたら、具体的な勉強期間を決めたり、教材選びをしたりして準備を進めましょう。集中して勉強するためには、こうした準備期間も重要になります。
勉強時間・勉強期間を決める
独学で保育士試験に合格するためには、一般的に100~150時間程度の勉強時間が必要とされています。平日は1日1~1.5時間、週末は1日3時間と、まずは1日単位で勉強時間を決めます。ライフスタイルに合わせて、無理のない勉強時間を算出することが大切です。勉強時間をざっと算出したら、全体の期間を決めましょう。期間を短くし過ぎると、勉強時間を過密にとらなくてはならなくなり、タイトなスケジュールになってしまいます。逆に勉強期間を長く取り過ぎると、モチベーションの維持が難しくなります。一発で合格を目指すのであれば、短くて3~4ヶ月、長くても5~6ヶ月程度を目安に勉強期間を設定ことをおすすめします。
試験までのスケジュールを考える
勉強時間と勉強期間を固めたら、試験までの日程も考慮しつつスケジュールを組みます。たとえば、勉強期間を3~4ヶ月とした場合、以下のようなスケジュールが組めるでしょう。
勉強期間(週)
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具体的な勉強方法・学習内容
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1~3週目
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・科目ごとの内容を理解する
・参考書を読み込んで基礎知識をインプット
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3~6週目
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・参考書・テキストを使って過去問対策を実施
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6~9週目
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・模擬問題集を活用して演習
・実践に向けて、問題の形式に慣れておく
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9~10週目以降~
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・総仕上げとして、参考書や一問一答問題を使って復習
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このようにスケジュールを組んでおくことで、スケジュールと実際の自身の進捗を把握しやすくなります。同時に、「〇週目までは模擬問題集で〇点以上の得点を取れるようになる」「〇週目には過去問で〇割以上の点数を取れるようにする」といった小さなゴールをこまめに立てることも大事です。小さなゴールを立てることで、達成感や手応えにつながり、挫折やモチベーションの低下を防ぐことができます。
教材を選ぶ
教材を選ぶ際は、独学に適したテキストや参考書を選択します。丁寧でわかりやすい解説が入った過去問題集や写真・イラストつきの参考書、一問一答形式の問題集など教材によって内容は様々です。基礎知識をインプットするための教材、演習・練習問題を解くための問題集、本番の問題形式に慣れるための模擬問題集などをバランス良くそろえることがポイント。また、近年はスマートフォンアプリや電子書籍といったデジタル教材も登場しています。「自宅やカフェでは紙の参考書」「通勤・退勤の時間はアプリや電子書籍」と、シーン別にうまく使い分けることで、さらに効率良く学習を進められます。
方法を模索しながら勉強を進める
自身に合った方法を模索しながら勉強を進めましょう。一言で勉強方法といっても、「とにかく参考書を読み込んでノートへまとめる」「一問一答を繰り返し解く」「過去問・模擬問題集を解いて覚える」などのように、具体的な手法は様々です。できるだけ早い段階で色々な方法を試してみると良いでしょう。
具体的な勉強のポイント
勉強する際に意識しておきたい重要なポイントを5つご紹介します。勉強を始める前、始めてもなかなかうまくいかないときなどに、こちらのポイントも参考にしてみてください。
テキストの読み込み
まずは、基礎知識をインプットするところからスタートしましょう。1ヶ月前後を目安にインプット期間を設け、テキストを読み込みます。丁寧でわかりやすい解説がついているテキストを選ぶこと、独学に適しているテキストを選ぶことがとくに重要です。1日数十分程度の時間でも問題ありません。大切なのは、毎日継続して読み、少しでも多くの基礎知識をインプットすることです。
過去問や模擬問題集で演習
大まかなインプットができたら、アウトプットへ移ります。過去問題集や模擬問題集を使って実際に問題を解いてみて、「知識がきちんと頭に入っているか」、「知識を正しく理解・把握できているか」という点をテストしましょう。間違ったら、テキストへ戻って正しい知識・考え方を把握してもう一度演習をします。この繰り返しを根気強く行い、苦手分野やつまずきやすい部分を克服していくことが大切です。ちなみに、全国保育士養成協議会の公式サイトには過去問題が掲載されています。これらの情報も活用してアウトプットを続け、知識をさらに強く定着させましょう。また、過去問や模擬問題集を解くことは、実際の試験形式に慣れるためのリハーサルだともいえます。
インプット・アウトプットをバランスよく繰り返す
インプットだけ、またはアウトプットだけをしていては、知識はなかなか定着しません。「テキストの読み込み(インプット)⇒ 問題集を解く(アウトプット)」というように、インプットとアウトプットをバランスよく繰り返すことが重要なのです。初期はインプットを中心に取り組み、途中からアウトプットと交互に行うのが効果的。その繰り返しで、ある程度インプットができたら、各種問題集を解くアウトプットを中心に行うのがおすすめです。
毎日継続することが重要
勉強は、毎日継続することが重要です。1日のなかで、数十分だけでも勉強時間を確保しましょう。「平日は30分~1時間は勉強する」「休日は2時間以上勉強する」というように、自身のライフスタイルに合わせてメリハリをつけることも大切。また、まとまった時間だけでなく、スキマ時間を活用することも効果的です。たとえば、スキマ時間には暗記やテキストを読むなどのインプットを中心に行い、まとまった時間には問題集を解くといったアウトプットを実践するなど、勉強方法を仕分けするのも良いでしょう。
実技試験対策も忘れずに
保育士になるためには、筆記試験だけでなく実技試験もパスしなくてはなりません。実技試験は、お題に沿って保育の場面を絵に描く「造形に関する技術」、楽器を弾きながら童謡を歌う「音楽に関する技術」、3歳児クラスの子どもたちにお話することを想定して行う「言語に関する技術」の3分野があります。試験では、これらの3分野のうち2分野を選択して受験します。独学だと対策が立てづらい実技試験ですが、自分ができるだけ得意な分野の試験を選びましょう。とくに、音楽に関する技術と言語に関する技術は動画や音声によるレクチャー教材が公開されています。それらを活用して、勉強するのも手です。
独学で不安を覚えたら
保育士は、完全独学であっても目指せる職種。ただし難易度が高く、効率良く勉強することが求められます。途中で自信がなくなったり、モチベーションが低下してしまったりする方もいるでしょう。
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