本文へスキップします。

ページタイトル

COLUMNコラム

ページタイトル画像
お知らせ:表示

SDGsとは?保育園・学童クラブ・小学校でできるSDGsの取り組みを紹介

2022/06/27
学び・育み

近年、耳にすることが増えてきた「SDGs」という言葉。国内外の政府や民間団体が、SDGsの導入と実現に取り組んでいます。なかには、保育方針・教育方針にSDGsを取り入れている保育園や学童クラブ、小学校もあります。ここでは、SDGsの具体的な内容をはじめ、保育園や学童クラブ、小学校などにSDGsを取り入れる際のポイントを紹介します。

SDGs(エスディージーズ)とはどのような取り組み?

SDGs(Sustainable Development Goals:エスディージーズ)とは、2030年までを期限とした、世界共通の「持続可能な開発目標」のことです。より簡単に言い替えると、地球環境への配慮や質の高い教育の実施、貧困の是正など「世界をより良くするためのさまざまな目標」をまとめてSDGsと呼びます。SDGsは193ヶ国によって採択され、大枠の目標17個と、具体的なターゲット169個から構成されています。 SDGsは、「誰1人取り残さない(leave no one behind)」というコンセプトを掲げています。このコンセプトの通り、SDGsは環境への配慮や教育レベルの向上、飢餓や貧困の改善などさまざまな活動を通して、性別や年齢、思想信条を問わず、すべての人がより良く生きられる社会を目指します。 ちなみに、2021年に発表された国際レポート「持続可能な開発レポート2021」によると、日本のSDGsランキングは、第18位という結果になっています。「貧困をなくそう」、「質の高い教育をみんなに」、「安全な水とトイレ」などの項目は達成度が高く評価されました。一方で「ジェンダー平等」や「気候変動対策」などの項目はさらなる取り組みの強化が必要と評価されています。

【出典】持続可能な開発レポート2021(英語)

SDGsに含まれる17の目標とは

SDGsが掲げる17の目標は、以下の通りです。17つと聞くと多く感じるかもしれませんが、掲げる内容はシンプルでわかりやすいものになっています

・1.貧困をなくそう
・2.飢餓をゼロに
・3.すべての人に健康と福祉を
・4.質の高い教育をみんなに
・5.ジェンダー平等を実現しよう
・6.安全な水とトイレを世界中に
・7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに
・8.働きがいも経済成長も
・9.産業と技術革新の基盤をつくろう
・10.人や国の不平等をなくそう
・11.住み続けられるまちづくりを
・12.つくる責任つかう責任
・13.気候変動に具体的な対策を
・14.海の豊かさを守ろう
・15.陸の豊かさも守ろう
・16.平和と公正をすべての人に
・17.パートナーシップで目標を達成しよう

環境問題の改善を目指す目標をはじめ、働き方や教育、ジェンダー平等など幅広い分野の目標が盛り込まれていることがわかります。さらにこれらの目標には、1つひとつに具体的なターゲットも導入されています。たとえば目標4で掲げられている「質の高い教育をみんなに」の項目では、「2030年までにすべての子どもが性別の区別なく、無償かつ公正で質の高い初等教育~中等教育を修了できるようにする」、「2030年までに、すべての子どもが性別の区別なく、質の高い乳幼児発達ケアおよび就学前教育にアクセスできるようにする」など計10個のターゲットが定められています。 各目標やターゲット内容はシンプルですが、一方でSDGsは「スケールが大きい」と感じてしまうかもしれません。しかし実際は、個人や各民間団体、教育機関が行う地道な活動が、SDGsの達成を後押ししているのです。

保育園や学童クラブ・小学校でSDGsは取り入れられる?

SDGsは、保育園をはじめ学童クラブ(放課後や学校の休日に子どもたちに遊びや勉強の場を提供する施設)や小学校などの保育・教育機関でも取り入れられます。17の目標のなかから、とくに取り入れやすい項目と導入事例を以下で紹介します。

「4.質の高い教育をみんなに」

保育園や学童クラブ、小学校は子どもたちにとって欠かせない学びの場です。保育環境や教育環境を整えることも、SDGsの一環だといえるでしょう。保育環境・教育環境をよりよくするためには、そこで働く保育士や教師、学童クラブ指導員の学ぶ姿勢が要となります。外部研修やセミナーで保育理論の理解をより深めたり、eラーニングシステムによる学習機会でスキルアップを目指したり、といった取り組みが注目されています。こうした機会でさらに知識や技術を磨き、保育環境・教育環境の改善につなげられるのです。また、国際交流や異年齢保育など、さまざまな体験を通して、子どもたちに学びの場を与えることもSDGsの一環だといえます。

「5.ジェンダー平等を実現しよう」

男の子・女の子を問わず、ともに仲良く過ごせる環境をつくることが大切です。 たとえば、子どもたちが自主的に遊びやおもちゃを選べる「コーナー保育」の導入事例があげられます。「男の子はこれ」、「女の子はこれ」という決めつけでおもちゃを与えたり、性別によって遊びの内容を決めつけたりしないようにします。子ども自らが遊びを選ぶコーナー保育を導入することで、子どもたち1人ひとりが、自分らしく遊びを楽しめるようになります。さらに、保育士や教師、指導員の性別を問わず平等に雇用することもSDGsにつながります。

「11.住み続けられるまちづくりを」

「皆が住む街をいつまでもきれいに保とう」、「もし災害に遭っても、安全に行動できるように避難訓練をしておこう」とアプローチするのが効果的です。身近な事例をあげると、街や公園、川などの清掃活動があげられます。ゴミ拾いをしたり、川のゴミを取り除いたりすることで、街の景観が保たれます。そして、海や自然の豊かさを守ることにもつながっていきます。 パソナフォスターでは、スタンプラリーを活用したSDGs推進の取り組みも実施しています。「住み続けられるまちづくり」に該当する取り組みをスタンプラリー項目にして、達成度合いによってスタンプが増えていくシステムです。このようなシステムを保育園や学童クラブ、小学校のイベントで取り入れてみるのもよいでしょう。

「12.つくる責任つかう責任」

「新しくリサイクルできるように、ゴミはきちんと分別しよう」、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)の大切さを知ろう」など、わかりやすくアプローチするのが効果的です。リデュースはゴミを根本的に減らす取り組み、リユースは使用済みの道具を繰り返し大切に使用する取り組み、リサイクルは廃棄物を有効活用する取り組みを指します。とくに低年齢の子どもたちには、紙芝居やイラストを使ってリサイクルの大切さやゴミと自然の関係性などをレクチャーするのがおすすめです。 たとえば「ティッシュは何でできているのかな?」や「ペットボトルのゴミが増えるとどうなるかな?」など、パネルを使ったクイズであれば楽しみながら「つくる責任・つかう責任」について学べます。

「15.陸の豊かさを守ろう」

「陸の豊かさ」は、多くの緑や動物によって成り立っています。それらの重要性について知るためには、実際に自然に触れるのが一番です。小規模なビオトープ(動物や植物が安定して生活できる生息空間)をつくって動植物に触れる機会をつくったり、植物を一緒に育てて植物の大切さを学んだりするのがおすすめです。とくに植物の栽培は、身近なSDGs活動の一例です。保育園をはじめ、学童クラブや小学校で実践できる事例だといえるでしょう。

「2.飢餓をゼロに」

「食育」を通して子どもたちに食への関心を持ってもらうと同時に、食の大切さも伝えます。「世界にはごはんをお腹いっぱい食べられない人たちがたくさんいる」、「ごはんを捨ててしまうのはもったいないから、できるだけ残さず食べよう」と、わかりやすい言葉で子どもたちにアプローチしましょう。また、野菜や果物を子どもたちと一緒に育てることも重要です。「1から食べ物をつくることの大変さ・楽しさ」を学ぶきっかけになります。

「3.すべての人に健康と福祉を」

健康であることの大切さ、みんなで助け合うことの大切さ(福祉の大切さ)を子どもたちに伝えましょう。低年齢の子どもたちであれば、「手洗いとうがいをきちんとする」、「汗をかいたらお着替えをする」といった小さなことを教えるだけでも十分です。 また、各種福祉施設と交流する機会を設けるのもよいでしょう。自分だけでなく他者の健康も気遣い、福祉のあり方について子どもたちなりに考えるよい機会になります。

SDGsの活動を取り入れるコツ

SDGsの取り組みは難しいことではなく、保育園や学童クラブ、小学校でもすぐに実践できる身近な活動です。ここでは、保育や教育でSDGs活動を取り入れるためのポイントを、いくつか解説します。

クイズや出し物を通してSDGsを身近なものに

とくにジェンダーや環境にまつわる問題は、大人でも理解するのが難しいことです。これらの問題を子どもたちにわかりやすく伝えるためには、クイズや出し物を活用するのが効果的です。たとえば「14.海の豊かさを守ろう」の項目で、イラストや写真を使った海の生き物クイズを導入した事例があります。クイズを通して「ゴミが増えて海の生き物たちが困っている」、「海が汚れたら、人間も動物も困る」ということを伝えてあげましょう。 また、「ゴミをリサイクルしないとどうなる?」や「男の子だから・女の子だからと言われて、やりたいことをさせてもらえなかったらどう思う?」などと問いかけることで、子どもたちの関心を引き付けて理解を深めることができます。

パネルや教材を使ってわかりやすく伝えることが大切

SDGsを子どもたちにわかりやすく正確に伝えるためには、パネルや教材を活用することも重要です。とくにおすすめなのが、紙芝居や絵本です。SDGsそれぞれの内容に合った絵本や紙芝居を用意して、読み聞かせるとよいでしょう。「自然や動物を守るには?」、「皆が仲良く過ごすには?」ということを、子どもたちに楽しみながら考えてもらうきっかけになります。

外遊びを通して自然の大切さを教える

お散歩や遠足など、野外に出かける活動を通して自然に触れることもSDGs活動の一環です。外遊びをすることで、草花や水の大切さ、動物の活動に直接触れることができます。それらに感動すると同時に、「人間が捨てていったゴミが落ちている」といった問題点に子どもたちが気づくこともできるでしょう。

子どもたちに伝えるための例文を考えてみよう

SDGsの内容をそのまま伝えても、子どもたちは今ひとつピンとこないかもしれません。 とくに低年齢の子どもたちに対しては、わかりやすく身近な言葉を使ってSDGsに関心を持ってもらうことが大切です。

「12.つくる責任つかう責任」について伝える例
例①:「ゴミが増えすぎると、地球が汚れて気持ちよく暮らせなくなります。そうなると、人間だけじゃなく動物や魚も困ってしまうから、ゴミはしっかり分別してリサイクルをしよう」
例②:「まだ使えるものや、まだ食べられるものを『もういらない』って捨ててしまうのはもったいないね。そうならないように、モノは大切に使おう」

「2.飢餓をゼロに」について伝える例
例①:「お腹がすいても、ちゃんとご飯が食べられないのは悲しいよね。世界中には、ご飯をきちんと食べられない人たちがたくさんいます。ご飯が食べられることに感謝して、できるだけ残さず食べよう」
例②:「野菜や果物を育てるのはとても大変で、何日もかかったことがわかったよね。食べ物をつくることはとても大変なことだから、お父さんやお母さん、色んな食べ物を届けてくれる人たちに感謝しようね」

「14.海の豊かさを守ろう」について伝える例 例①:「海が汚れて、そこに住む魚や動物たちが困っているよ。海の生き物たちを守るためには、どうしたらいいかな?」
例②:「ゴミをエサだと思って食べて、海の生き物たちがケガをしてしまうのは悲しいよね。海や川にお出かけに行ったら、ゴミは捨てずに持ち帰ろう」

長期のお休みを活用してワークショップを企画するのも手

夏休みや冬休みなどの長いお休みを利用して、SDGsのワークショップを実施するのも効果的です。とくに、小学校や学童クラブなどで実践しやすいでしょう。具体的な事例としては、有名飲料メーカーが学童クラブの児童を対象に行ったSDGsのワークショップ事例があげられます。同ワークショップは飲み物や容器のつくり方を通して、「リサイクルの大切さ」や「食の大切さ」、「ヒトと環境の関係性」を学べる内容となっていました。SDGsは、身近な行動の延長線にあります。しかし、「もっと深くSDGsに触れてもらいたい」と考えている場合は、ほかの教育機関や企業、行政との連携が不可欠です。パソナフォスターは、さまざまな教育プログラムを実施し、SDGsの「質の高い教育をみんなに」の項目を実現するサポートを行っています。

たとえば「CRAYONプロジェクト」は、子どもたちの才能や自己表現力を伸ばすための教育プロジェクト。子どもたちの年齢にあわせた「CRAYONBOOK」のテキストを活用することで、子どもたち1人ひとりに合った関わり方や自己表現力アップのサポート方法を学ぶことができます。

広い視野・グローバルな視野を養うために有効な手段の1つが英語教育です。パソナフォスターの幼児向け英語教育プログラム「アンジー&トニー」は、英語を通した自己表現力や広い視野を養うための教育プログラム。「世界中の人々と意見を交わし合い、理解し合うことができる人」を目標に掲げ、子どもたちの英語教育に取り組んでいます。

パソナフォスターと東京学芸大学の共同研究のもと誕生した「 MiracleLabo」は、問題解決型学習(PBL)に触れられる新しいアフタースクールです。単に学力を伸ばすだけでなく、自主性や思考力を伸ばして地域課題・社会課題に向き合える人材を育成しています。 このように、パソナフォスターはさまざまな教育プログラムを通してSDGs実現のサポートを行っています。

パソナフォスターでは、「保育Academy」という保育士や学童スタッフといった、子どもと関わる仕事に就きたい方をサポートするプログラムを展開しています。保育実習はもちろん園見学を通して先輩保育士からアドバイスを受けられるなど、保育スキルを高めたい方にぴったりなカリキュラムも用意しています。保育士を目指す夢を叶えるべく、スキルを身につけたいたい方はぜひ下記より、パソナフォスターへお問い合わせください。

コラムトップに戻る