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知っているようで知らない「ビーガン」って何?ビーガンの考え方やベジタリアン・ハラル食との違いを解説

2022/06/27
食育・健康

近年、耳にする機会が増えてきた「ビーガン(ヴィーガン)」という言葉。今回は、完全菜食主義とも呼ばれるビーガンについて、特徴や主義などについて解説し、同時に、ベジタリアンやハラル食との違いを説明します。また、これからビーガンを目指したい方のために、挑戦しやすいフレキシタリアンというスタイルについても紹介します。菜食だけで栄養は取れるのか、どういったことをすればビーガンになれるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

そもそもビーガン(ヴィーガン)とは?

ビーガン(ヴィーガン)は、環境や動物保護を目的として、動物性の食品や製品を避けている人たちを指す言葉。1900年代のイギリスが発祥といわれる考え方です。食生活だけを見ると、菜食主義であるベジタリアンの1種でもあります。

「完全菜食主義」と呼ばれる

ベジタリアンの中には、肉は食べないけど魚は食べる、肉も魚も食べないけど卵は食べる、など人によってさまざまなスタイルがあります。対してビーガンは、肉や魚、卵なども食べません。そのため、完全菜食主義とも呼ばれています。ベジタリアンが卵や乳製品などは食べるのに対して、ビーガンは動物性の食品の一切を口にしないスタイルです。肉や魚、卵、乳製品などももちろん口にしません。そのため、ピュアベジタリアンと呼ばれることもあります。

派生形として「エシカル・ヴィーガン」という概念もある

ビーガンは、完全菜食主義と食事に関する用語としてのイメージがありますが、食事だけでなく衣食住において動物性の製品を使わない主義の人を「エシカル・ヴィーガン」と呼びます。例えば、動物の皮や羽毛などを使っている製品を買わない、コスメは植物由来の成分のものを使用するなど、日常生活においても動物由来のものを使わないのがエシカル・ヴィーガンです。

ベジタリアン、ハラル食との違い

ベジタリアンやビーガンは、個人の考え方や生活スタイル、主張として取り入れられるものです。体に良いから、環境問題に貢献したいからなど、それぞれ目的があります。中には、食物アレルギーにより菜食主義にならざるを得ない方もいますが、基本的には、各々が菜食を選択して実行しているといっていいでしょう。 ハラル食とは、イスラム教の教えにそった「食べて良いもの」を指します。つまり、イスラム教徒の人が食べられるものがハラル食(ハラルフード)です。対して、イスラム教では食べていけないものも決まっています。

・豚肉(加工品や原料とした添加物含む)
・イスラム教の教えに沿って処理されていないお肉
・アルコール
・血液

上記のものは、イスラム教徒は宗教上の理由で口にできません。そのため、「ハラル食」はイスラム教徒の方々が安心して食事をするために必要なものとなっています。個人の好き嫌いや主義の問題ではありません。

「人間の都合で動物を傷つけないように」という価値観が根本にある

ベジタリアンとビーガン(ヴィーガン)の大きな違いは動物保護の観点です。ビーガンの方々の根本にあるのは、動物を傷つけたくないという思い。家畜が食卓に並ぶ過程で、育成環境や屠殺などにより動物に苦痛が与えられているという考えから、肉食を止めることでそうした動物たちを減らそうという取り組みとして、ビーガンというスタイルを生きています。食肉だけではなく、エシカル・ヴィーガンのように動物性製品を使わないスタイルも、同様の考え方に基づいています。

ビーガンが食べられる食材

ビーガンは植物性の食品であれば、特に制約なく口にできます。野菜や果物はもちろん、穀類やナッツ類、海藻、キノコ類などです。その他、植物から作られるお酒も飲んで問題はありません。また、肉のかわりに大豆を使った代替肉を食べることもあります。代替肉(フェイクミートとも)は現在、大豆を使ったものの他に野菜を原料にしたものがあります。日本では、人気ファストフード店が代替肉を使用したハンバーガーを販売して話題にもなりました。また、ビーガンは口にできませんが動物の細胞を培養して作られる「培養肉」も、近年注目を集めている代替肉の1つです。

従来のビーガンより挑戦しやすい「フレキシタリアン」とは?

フレキシタリアンは、いわばビーガンの入門的な食事スタイルのこと。できるだけ動物性食品を避けますが、無理をしないのが特徴です。

従来のビーガンよりゆるやかなルール

ビーガンは本来、動物性の食品の一切を口にしません。ですが、フレキシタリアンは菜食を基本にしつつも肉や魚、卵、乳製品も食べる時は食べます。それまで普通に動物性の食品を食べていた人が、急に菜食だけにしてしまうと体にも支障をきたす可能性がありあます。ゆるやかに菜食にシフトする、できる時だけ菜食にするなど、ゆるやかに対応するので「ゆるベジタリアン」「セミベジタリアン」とも呼ばれます。

初めてでも挑戦しやすい

ビーガンの考え方に賛同はしているが、完全菜食主義は難しい人でも挑戦しやすいのがフレキシタリアンです。もともと、肉や魚、乳製品、卵製品が好きな人にとって、まったく食べないというのは難しいもの。それでも、少しでも環境に配慮した生活をしたいという思いから、フレキシタリアンから始めるという人が出てきているのです。

ビーガン食で栄養は摂れる?

植物性の食品だけを食べると聞くと、気になるのが栄養の偏りではないでしょうか。ビーガン食だけで人が生きるのに必要な栄養素が取れるのか、解説します。

ビーガン食を取り入れるなら栄養の知識をつけよう

ビーガン食を始める際に、「植物性食品だけを食べればよい」と栄養バランスを考えずに取り組み始めるのはNGです。例えば、果物と野菜をメインにした場合、たんぱく質やビタミン類などが不足する恐れがあります。どの食材にはどんな栄養素が含まれているのか、どんな組み合わせで食べると栄養価が高くなるのかなど、ある程度の知識をつけたうえで実践するようにしましょう。

タンパク質は大豆をはじめとした豆類から

たんぱく質には動物性と植物性があります。たんぱく質といえば肉や魚というイメージもありますが、大豆にも豊富なたんぱく質が含まれています。そのため、ビーガン食では大豆をはじめとする豆類や小麦などを活用してタンパク質を補うことができます。たんぱく質は、筋肉や皮フ、髪の毛といった体を構成するのに欠かせない栄養素。その他にも、たんぱく質のもとになっているアミノ酸は、神経伝達にも欠かせません。心と体の健康のためにも、たんぱく質は意識的に摂ることが大切だといえます。

ビタミンDはキノコ類から

たんぱく質の働きを助け、体の中でカルシウム量を調整する働きをもつのがビタミンD群です。キノコ類や魚介類、卵類などに多く含まれています。ビーガン食では、キノコ類から摂るようにするとよいでしょう。ビタミンDが少ないと、カルシウムの吸収量がさがり、骨がもろくなるおそれがあります。日光浴すると体内でも生成できるので、紫外線対策をしつつ日の光も浴びるようにすると効果的です。

鉄・カルシウムは葉野菜、海藻類から摂取

鉄分やカルシウムは、葉野菜や海藻類から摂りましょう。また、鉄鍋を使うことで料理に鉄分が加わるので調理器具を工夫するのも手です。特に女性は、毎月の生理によって鉄分が不足しがちなので、積極的に取り入れたい栄養素でもあります。また、年齢が上がるにつれて骨粗しょう症のリスクもあるため、カルシウムも不足しないよう工夫することが大事です。

食材を工夫することで必要な栄養は摂れる

栄養素の中には、組み合わせることで吸収率が上がるものがあります。例えば、植物性の食べ物に含まれている鉄分は非ヘム鉄という吸収されにくい特徴があります。しかし、ビタミンCを合わせて摂ることで吸収率が上がります。葉野菜のサラダにレモンを使ったドレッシングをかけて食べる、といった工夫をすることで栄養価を高められるのです。また、キノコ類に豊富に含まれるビタミンDは、カルシウムの吸収量を上げてくれます。ビーガン食は菜食に偏っている=栄養も偏っているというイメージがある方も、工夫次第で必要な栄養が摂れることを知っておきましょう。

身近なビーガンメニューのお手本は精進料理

日本人にとって身近なビーガン食は、精進料理です。以下では、なぜビーガン食にピッタリなのか解説します。地域によっては、法事のタイミングで食べる機会がある方もいるでしょう。

精進料理とは?

精進料理は、日本の仏教がもとになっている僧侶が食べる食事です。僧侶の殺生はご法度とされていることから、肉や魚などは使われません。また、五葷(ごくん)と呼ばれる植物の使用もNGです。五葷とは、煩悩を刺激するとされている食材。何をもって五葷とするかは、時代や地域によってことなりますが、ニラやニンニク、ラッキョウ、ネギ類が該当します。肉や魚を使用しないといった点が、ビーガン食と共通し、殺生をしないというのも通じる部分があります。
精進料理は、煩悩を避ける修行の一環でもあることから、料理をするうえでの心得や食事の際の作法などもあります。特に、出されたものはすべて食べきることが大切とされています。

・「オリエンタル・ビーガン」という精進料理と親和性の高い派生形も

オリエンタル・ビーガンは、通常のビーガン食から五葷(ごくん)を除いた食事をする人たちのことを指します。五葷は香りや刺激が強いことから、肉や魚のニオイ消しに使われることも多い食材。そのため、五葷を口にすることで、避けている肉や魚を食べたくなってしまうことを防ごうとしていると言われています。また、ビーガン食に慣れた人にとっては刺激が強すぎて受け付けなくなっている場合もあるようです。精進料理に親しみがある方は、オリエンタル・ビーガンというスタイルと親和性が高いため、チャレンジしてみるのも良いでしょう。

まとめ

ビーガンは、動物保護の観点から決まった食材を取らない食事スタイルを指す言葉です。同様に、宗教上の理由やアレルギーなどにより、特定の食べ物が食べられない家庭やお子さんもいらっしゃるでしょう。
港区の保育園では、そうしたお子さんや保護者の方の意向に配慮した給食を提供しています。食事に対する考え方や対応は家庭それぞれなので、給食について制限がある場合は、保育園に相談することをおすすめします。

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