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院内保育とは?一般保育との違いや働く環境・勤務内容などを詳しく解説

2023/01/13
お知らせ(保育コラム)資格・仕事学び・育み

保育園と一言でいっても、その形態はさまざまです。ここでは、保育園の一形態である「院内保育」の概要や特徴、一般保育との違いを解説します。あわせて、院内保育で働くメリットやデメリット、求められる資格やスキルもご紹介します。

医療従事者を支える、院内保育所とは?

院内保育所とは、病院で働く医療従事者の子どもを預かるための保育所です。病院内、またはその近隣区域に設置されており、交代制で働く医療従事者にとって大切な福利厚生となっています。病院は24時間体制で動いており、スタッフの勤務体制によっては、早朝や夜間に子どもを預ける場所が必要です。院内保育所があることで、医療従事者は自分の職場内または、その近くで子どもを預かってもらえます。子どもが急に体調を崩しても、すぐ近くに医師や看護師もいるので安心です。職場内またはその近隣に保育所があるため、送迎の手間も省けます。
また、院内保育所は待機児童問題解消の一助にもなり、出産や育児からの職場復帰のきっかけにもなると考えられています。
医療従事者の勤務体制は不規則で、場合によっては救急の患者の対応で急な出勤を余儀なくされることもあります。その際に小さな子どもがいると、一般の保育園へ急に預けるのは難しいでしょう。院内保育所があれば、出産や育児および待機児童問題による医療従事者の離職を防止できます。

院内保育所が持つ主な特徴

院内保育所には、一般的な保育所とは異なる特徴があります。
たとえば、受け入れ対象と保育所の規模が異なります。院内保育所は主に病院で働く医療従事者の子どもを対象としており、病院の規模が大きくない限り施設も小規模であるケースがほとんどです。したがって、受け入れる子どもは少人数になります。また、保護者の出勤状況や勤務体制によって、子どもの登園数も大きく変動します。そのため、少人数保育であり、なおかつ異年齢保育になるケースが一般的です。 早朝勤務や夜間勤務にあたる医療従事者の子どもを受け入れられるよう、24時間体制で運営されている院内保育所も多くみられます。したがって、院内保育所で働く保育士にも早朝勤務や夜間勤務、園内に泊まり込む宿直勤務があるのです。保育所によって詳細なスケジュールは異なりますが、日勤の場合で8時から19時、夜勤の場合で18時から翌朝8時など、日勤・夜勤の勤務体制が敷かれています。ただし、これらはあくまでも一例です。詳細な勤務体制は、病院の運営方針や働き方によって大きく変動するため確認しましょう。

院内保育の1日の流れ

院内保育所の1日の流れは、各保育所によって多少の差異があります。以下では、一般的な院内保育所のスケジュール例を紹介します。院内保育所で保育士として働くことを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
<一般的な院内保育所のスケジュール>
時刻 業務内容
8:00 子どもたちの随時登園
9:00 登園の受け入れ対応
10:00~ 朝の会・おやつの準備
10:30~11:30 散歩・自由保育など
11:30~ 給食および食事の介助
12:30~ お昼寝・連絡帳記入など
14:30 起床・着替えの介助・検温など
15:00 子どもたちとおやつを食べる
15:30~ 自由遊びの見守り
16:00 帰りの会
17:00~ 子どもたちの随時降園・お迎え
18:00~ 夕食の準備
19:00~ 着替えの介助・園内の清掃
20:00~ 夜間保育開始・就寝の準備
7:00 起床・朝食の準備
前述したように、院内保育所は病院の体制に合わせて24時間体制で運営されている施設も少なくありません。夕食の準備や夜間保育、就寝の準備など、一般的な保育所とは異なる業務内容が組み込まれているという特徴があります。朝の会や帰りの会、給食やお昼寝、自由遊びなど一般的な保育所と共通するスケジュールも組み込まれています。
保護者の方の勤務体制によって、同じ子どもであってもその日の登園時間が異なります。たとえば保護者の方が夜勤であれば、子どもは17時から18時に登園します。日勤であれば8時から9時ごろに登園してくるでしょう。院内保育所では、子どもの人数や登園時間・降園時間に合わせた柔軟な保育が求められるのです。

院内保育所で働くメリット

院内保育所で働くメリットはさまざまです。とくに大きなメリットを、以下では、いくつかピックアップして紹介します。

小規模・少人数であるため業務の負担はやや軽め

院内保育所は受け入れ対象が限られているうえ、施設も小規模であることが一般的です。よって、預かり人数が少ないため、業務の負担はやや軽くなります。また、子ども1人ひとりとゆっくり向き合いながら、保育の仕事にあたれるのも大きな魅力です。子どもとゆっくり向き合える時間が増えれば、子どもだけでなく保護者の方からも信頼され、保育士としてのやりがいにもつながります。

保護者と連携しやすい

すぐ近くで保護者の方が働いているため、子どもの体調不良をはじめとした予期せぬ事態が起こっても安心です。保護者の方に素早く連絡することができ、一般の保育所と比べると容易に連携をとれます。

行事の準備に追われることがない

院内保育所は、一般の保育所と比べると行事が少ない傾向にあります。人によってはそれが寂しいと感じるかもしれません。しかし、行事が多すぎるのも考えものです。行事の準備に追われて、子どもたちとゆっくり向き合えないのは、本末転倒ではないでしょうか。院内保育所では、行事が少ない代わりに、日々の活動や遊びを通して、子どもたちの成長を見守る機会が多く設けられています。

待遇が良い施設も多い

母体となる病院や医療法人によっては、好条件で働けることも院内保育所の魅力の1つです。各種福利厚生が充実していたり、夜勤手当や早朝勤務手当、時間外手当などが手厚かったりといった好待遇が期待できます。

すぐ近くに医療従事者がいる

医師や看護師など、保育園のすぐ近くに医療従事者がいるという安心もあります。万が一子どもの急な体調不良や思わぬ事故が発生しても、すぐに医師や看護師の手を借りることができます。保育士は、子どもたちの安全を預かる仕事。保護者だけでなく、医療従事者が近くにいることは、保育士にとって心強いポイントだといえます。

残業や持ち帰りの仕事が少ない

院内保育所は、日勤・夜勤のシフト制勤務です。勤務時間がしっかり区切られているため、残業や持ち帰りの仕事が、ほとんどないのもメリットとしてあげられます。また、保護者の方のお迎えが遅れても、次のシフトの方にきちんと申し送りを済ませておけば、残業する必要がありません。

院内保育所で働くデメリット

業務の負担がやや軽く、子どもたちとゆっくり向き合える院内保育所。しかし、院内保育所ならではのデメリットもあります。

勤務が変則的

院内保育所は24時間体制で運営されているところが多く、日勤だけでなく夜勤も発生します。長時間保育やシフト制により勤務が変則的になり、プライベートの時間を確保するのが難しくなります。自身が家庭を持っている場合、子どもや配偶者などの家族から理解を得られにくくなる可能性もあります。また年齢を重ねるにつれ、不規則な勤務体制に体力的な厳しさを覚えることも十分に考えられます。

保育の仕事に物足りなさを感じることも

一般の保育所とは異なり、院内保育所は行事が少ない傾向にあります。くわえて園庭やピアノなどの音楽設備、プールといった保育環境が不十分である場合も少なくありません。「子どもたちと季節の行事を楽しみたい」、「音楽や外遊びなどいろいろな遊びを通して子どもたちの成長に関わりたい」と考えている方にとっては、物足りなさを覚えてしまうでしょう。

院内保育と一般保育の違いはどこにある?

院内保育所と一般保育所には共通点も多くみられますが、異なる部分も少なくありません。具体的な違いを、以下でいくつかまとめました。

施設の場所

最も大きな違いは、保育所の場所です。前述したように、院内保育所は病院内または病院の近隣に設置されます。受け入れるのは、主に一般の子どもたちではなく、病院で働く医療従事者の子どもたちです。

院内保育は夜間保育に対応していることが多い

院内保育所は24時間体制であることが多く、夜間保育に対応しているケースがほとんどです。したがって、保育士もシフト制のもとで夜勤に従事します。夜間保育では保育士も仮眠がとれますが、子どもの見守りのうえでの仮眠になるため、慣れないうちは体力的に厳しさを感じるかもしれません。しかし夜間保育を通して、子どもや保護者の方からの信頼を勝ち取れることも大きなやりがいです。

開園時間が長め

医療従事者の勤務体制に合わせて、院内保育所は早朝保育や夜間保育にも対応しています。そのため、一般の保育所よりも開園時間が長く、保育士の勤務時間も長めなのが特徴です。

設備の充実度の違い

一般の保育所では、園庭やプールなどの保育設備が充実しています。一方で院内保育所は、施設自体が小規模であることが多いです。また、一般の保育所と比べると、必要最低限の保育設備しかそろっていないケースも珍しくありません。

受け入れる子どもたちの年齢

一般の保育所では、子どもたちの年齢によってクラス分けされています。対する院内保育所は、保護者の方の勤務体制によるため、クラスの年齢が統一されておらず、異年齢保育になることが一般的です。

待遇の違い

院内保育所は、勤務形態が不規則であることにくわえ、開園時間も長い傾向にあります。その代わり、各種福利厚生や手当が従来の保育所よりも充実していることが多いのです。

必要な資格に違いはある?

一般保育所・院内保育所を問わず、保育士として働くためには保育士資格が必須です。院内保育所は、病院内やその近くという特殊な環境下にある保育所ですが、保育士自身が医療行為を行うことはなく、医療のスキルや資格は必要ありません。よって、保育士資格があれば勤務できます。

病棟保育士(医療保育士)との違い

院内保育士と混同されやすいのが、病棟保育士または医療保育士と呼ばれる保育士です。
どちらも病院内で働く保育士ですが、両者には違いがあります。院内保育士は病院で働くスタッフの子どもたちの保育を行うのに対し、病棟保育士は入院中の子どもたちの心身サポートを行います。病棟保育士はケガや病気で入院している子どもたちをケアする仕事であるため、医療・看護の知識がある程度求められます。
また、病棟保育士のニーズが拡大していることを受けて、2007年からは「医療保育専門士」の資格認定制度も導入されました。これは指定の資格を所有しており、なおかつ認定研修を受講した人材に与えられる認定資格です。保育士資格を所有していることはもちろん、病院や病児保育室、診療所などでの勤務経験も求められます。くわえて、研修の際には「日本医療保育学会に1年以上在籍している正会員であること」という資格も必要です。

院内保育士として働くには?

保育士資格があれば、院内保育士として勤務できます。近年は院内保育所を導入する病院も増加しており、活躍の場は少しずつ広がってきているといえるでしょう。以下では、院内保育所で保育士として働きたいとお考えの方へ、院内保育士の求人を探す際に意識すべき点を紹介します。

募集条件を確認する

院内保育士の雇用形態には、一般的な保育士と同じく正社員や契約社員、パートタイム社員があります。正社員を目指したいのか、パートタイム勤務で家庭と仕事を両立させたいのか、自身のキャリアプランに合う雇用形態を選ぶことが大切です。

自身に合う雇用形態を選ぶ

運営方針が決まったら、社内のニーズを調査します。「何歳までの子どもを受け入れられるのか」、「社内で育児中の社員はどのくらいいて、どの程度、定員が埋められそうか」といった点を洗い出していきます。
院内保育は従来の保育所とは異なる環境にあるとはいえ、子どもたちの安全を守り、成長をサポートする場であることに変わりはありません。その一方で、院内保育所には「残業が少ない」、「少人数なので子どもたち1人ひとりとゆっくりふれあうことができる」などの魅力もあります。
パソナフォスターでは、院内保育所で働く保育士や保育補助を採用中です。詳細は、こちらの「採用情報一覧」でご確認いただけます。「保育士資格を活かして、子どもたちと医療従事者の方に貢献したい」という方のご応募をお待ちしております。
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