言語学博士 玉川大学 小田眞幸教授によると、成長過程にある子どもたちが、安心して学べる環境づくりが大切で、子どもたちにとって身近な保育士と一緒に学ぶスタイルを推奨。また、応対的な関わりができる「日本語が話せる講師」を英語習得の大切なポイントとしています。
小田眞幸教授メッセージ
英語プログラム「アンジー&トニー」の開発にあたっては、私も幼稚園に見学に行きました。朝の挨拶から降園まで丸一日、教室の隅で、「子ども達が何をしているのか」、「先生方とどんな会話をしているのか」など、園生活を観察したのです。その園生活を反映させ、園の中ですぐに使えるフレーズを取り入れたのがこのプログラムの教材です。
英語教師であっても、保育のプロではなければ、子どもが泣き出したり、答えられないときに、「英語がわからないから」と決めつけてしまうかもしれません。
でも、普段から子どもと一緒に過ごし、一人ひとりの個性を把握している現場の先生(=子どものプロ)がみれば、恥ずかしいから泣いているのか、体調が悪いのか、家庭でなにかあったからなのか、ということがわかります。つまり、ネイティブ・スピーカーであっても、子どもを扱うことにおいては、園の先生にはかなわないわけです。ですから、園の先生方にはもっと自信を持っていただきたいと思います。
絶対にやってはいけないのが、英語のために日本語を犠牲にすること。私は、「母語である日本語がしっかりできないと英語もできない」と思っていますので、日本語を捨てるという発想には反対です。小さいときに育んだ母語という資本は、他言語を学ぶ際の土台となってくれます。English onlyとか All or Nothingの発想ではなく、日本語を基盤に、少しずつ段階的に英語を増やしていくのが理想的ではないでしょうか。
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小田 眞幸 教授
玉川大学文学部教授・言語学博士。大学院文学研究科長。専門は言語政策・言語計画、マスメディア論、批判的ディスコース研究。現在、大学英語教育学会(JACET)副会長、AsiaTEFL副会長、AILA言語政策部会アドバイザー。